DT990PRO
○Good!! |
・個性的で刺激的なドンシャリ ・低域の迫力と重み ・音場が広めで明確 |
---|---|
×Bad... |
・聴き疲れしやすい音 ・鈍重な音調 ・音源や再生機器によっては痛いだけの音 |
◎Point! | 激しいドンシャリとはいえ、個性がはまれば手放せない魅力的な音。アコースティックな音をとにかく刺激的に楽しみたい時に重宝する。 |
雑感
それなりに高価で渋い外見に似合わず、音は自由奔放なドンシャリで、自重しない(?)ヘッドホン。ドンシャリとは言っても、安い機種にありがちな聴いてすぐ不快になるような感じとは少し違って、しばらく音楽に没頭していたくなるような、よく考えられたドンシャリ。長時間の使用は少しつらいものの、短時間でガツンと聴きたいときには快感となる魅力的な音。低域は柔らかめでありながら、迫力と厚みと重みが素晴らしく、アコースティックな低域を情熱的かつパワフルに描写できる。ただ、温かみがあって締まりはあまり良くないので、打ち込み系の低域の表現は苦手。中域は、豊富な低域と高域に挟まれてあまり目立たないが、特に癖や欠点はなく、ヴォーカルの描写をしっかりこなしてくれる。潤いはあるもののマイルド系というよりは、かすれや息遣いをしっかり出す傾向。高域は、粗っぽいというよりは荒っぽい感じで量が多く、良い意味で刺激的な聴き疲れする音。しっかりと値段分の解像度とレンジの広さを持っており、耳に刺さるのもそれほど嫌味に感じない。透明感や音の抜けはそれなりにあるが、軽快ではなく重心が落ちついているため明るい印象はない。音場はなかなか広く、音像の立体感や距離感も良好。しばらく使っていると、たまに聴力が順応(低下?)して、この機種の音バランスに違和感を覚えなくなることがある。はまる人には中毒性があり、聴力の低下が心配な機種であり、合わない人にはとことん合わない機種だと思われる。尚、このヘッドホンは音源の質や再生機器との相性にやや敏感で、パワーのないポータブル機器でポップスのmp3を聴くというような場合には、ただうるさいだけのヘッドホンに感じることが多い。また、体調や気分でもかなり感じる印象が変わるヘッドホンでもある。
おまけ