レビュー

雑感

構造の特徴としては、数少ないフルオープンエアと呼ばれる種類に属し、耳を覆う形であるにもかかわらず外気をそのまま通すため、長時間付けていても蒸れにくく、開放感に優れるという性質を持つ。同じような構造を持つSONYのMDR-F1は２万円前後と高価なのに対して、こちらは６千円弱と親切価格となっており、音質の総合評価もSONYに引けを取らないと言われている。音の特徴は、特殊な構造であることを感じさせないほど普通にまとまっており、ある意味期待しすぎるとつまらない機種でもある。不足するかと思われた低域は、むしろ普通のオープンエア機よりも骨太で聴き応えがあり、独特の音圧を楽しめる。中域から高域にかけてはやや癖があり、一部のヴォーカルやドラムスに歪んだような付帯音が付いて耳障りに感じることがある。基本的には低域と高域のバランスがとれている機種だが、この癖があるために粗っぽさを感じやすく、音楽を無難に楽しむにはそれなりに再生環境と曲を選んでやる必要がある。